in-facto

in-facto始動と「いんのこ」について

in-facto の馴れ初めと原点の「ときめきリサーチ200X」

ykpythemind チームin-factoです。今回はin-factoについてと、公開した動画と、今後やっていきたいことについて話してみようかなと。

トモヒロツジ うん、そうっすね。

ykpythemind じゃあ、簡潔に自己紹介しようかなと思うんですけど、僕がin-factoの設立をしたものの、代表ではない、ykpythemindと言います。撮影とかをする予定です。

トモヒロツジ 自分はいつの間にかin-factoの代表らしいんですが、演出と小道具、脚本などをやる予定のトモヒロツジです。

藤本薪 藤本薪です。in-factoでは役職はないけど…… あー、何の役職があるんだろう。映像って。

ykpythemind え、俳優、俳優。

藤本薪 俳優をしています藤本薪です。

ykpythemind (笑) ま、みんなね、ある程度ホラーが好きということで。in-factoは元々僕がin-factoって名前のチームをやりたいというだけで、特に深い意味はないんですけど。まずは一旦ホラー映像を制作するところから始めてみようかなと思ってですね。

トモヒロツジ やっぱ元を辿れば、あれじゃない?『ときめきリサーチ』のミュージックビデオ。

藤本薪 辿ったね(笑)

ykpythemind 僕が猫を堕ろすってバンドをやっていて、そのビデオを作るとかで2人はよく手伝ってくれてたりしてるんですけども。去年ぐらいに『ときめきリサーチ200X』っていうミュージックビデオを作りました。

ykpythemind 2000年ぐらいに発売されたビデオカメラをわざわざヤフオクで買って。『特命リサーチ200X』っていう昔のテレビ番組のことを異常に覚えてて、それの質感でビデオ取りたいなっていうことだけをテーマに撮ったんです。異常に画質が悪いんですが、それを撮ったときのやりきった感じから始まったんですかねえ。

トモヒロツジ うん、そうだね。あの映像を撮った後からユキト(ykpythemind)が一生映画撮りたいって言ってたから(笑)

ykpythemind そうね。

藤本薪 僕は役者として出てたんだけど、あの後僕もすごい反省点が出てきて。演技もだけど、もっと本気でやればとか、このカメラワークこう提案したらよかったなとか、めちゃめちゃ出てきて……

ykpythemind そんな気持ち知らなかった(笑)

藤本薪 「ときめき」はミュージックビデオなのに、途中に唐突にホラーパートがあるんだよね(笑)

トモヒロツジ うん。なんか当時やってた『USO!?ジャパン』の雰囲気とかをなんとなくみんな根っこに持ってて、まず「ときめき」にそれをキッチュな感じで入れてみたと。

藤本薪 キッチュ?本当に怖がらせるのではなくて?

トモヒロツジ 『USO!?ジャパン』とかって、無垢な子供が見ると怖いけど、大人が見るとわざとらしいというか。そこに怖さとギャグの両立=キッチュみたいなのがあると思っていて。そのラインを狙った、わかる人にわかる感じのビデオにしてるイメージがあった。

ykpythemind はいはい。途中のパートを撮ってたら、ちょっと日が落ちてしまって。あんまり狙ってはなかったんだけど、暗いところで猫人間に遭遇するみたいなパートがあって。僕がカメラ回して、藤本くんがレポーター役で、ツジが猫人間役で撮ったんですよね。

トモヒロツジ まあうん、誰が猫人間役か知らないけどな(笑)なんかいたね。

ykpythemind そうね(笑)それで、猫人間を見つけた藤本君が走っていくところで、自分もカメラを持って追いかけて。振り返ったら猫人間が襲ってくるっていうところ。あそこはフェイクドキュメンタリー的な感じで撮ってて。

カメラで撮影した藤本
この質感のためだけにビデオカメラを買ったかいがある

トモヒロツジ ほんとに古い家庭用ビデオカメラで撮ってるから、プレイバックがめちゃくちゃ大変で。カセットテープに録画するやつだから、物理的にカセット巻き戻さないと撮ったやつが見れないからあんまりテイク数取れなかったけど、奇跡的にうまくいったものが撮れて、楽しかったよね。

藤本薪 そうっすね。

ykpythemind 俺が何を撮りたいかってのが完全に分かってくれてる3人だからあの奇跡につながってた。

藤本薪 完全に同じ映像が頭の中で流れてたし、あれを説明して他の人にやってもらうとかは違うよね。

ykpythemind それで、精神性が同じところを向くのが気持ちいい感覚があって。ずっとこの3人で映像撮りたいなって思ってました。

各々のタイプと役割分担

ykpythemind 今回「いんのこ」ってビデオを公開したわけだけど、元はと言えば自分が9月に「ホラー短編作るぞ」ってLINEグループつくってから勢いで来たよね。

トモヒロツジ ユキトは何かを発火した後、触らない人間だから(笑) みんながやる気あることなら、とにかく一歩目をやるべきだなと。この日に撮るから、それまでに何するか各々決めようってところまで進めたよね。

ykpythemind それで、その集まる日までの間に、自分が1分ぐらいのちょっぴりホラー作品を上げて、そしたら次の日に藤本くんとツジがリプライホラー動画を送ってきて面白かった。普通に怖かったし。

藤本薪 アレが各々の名刺的な作品になったよね。作品の方向性もそうだけど、進め方みたいなのが全員違うなって思って。ユキトは機材とか使って、映像路線なんだなとか、ツジは質感路線なんだなみたいな。どこに重きを置いてるかってのがだいぶ見えたタイミングだった。

トモヒロツジ 俺はディティールにこだわるのがしんどいから、脚本を練って、映像とか音はほぼ撮って出しでなんとかしようっていう。ストーリー性みたいな部分で他の部分を埋めるタイプ。その差が3人で組むのにちょうどよかった。

ykpythemind まずプロトタイプを作る時とかに藤本くんが役者をやってくれるのは助かるのもある。やっぱり人間が出てくれるとちゃんと映像になる(笑)

藤本薪 決して華があるタイプではないけどね。

トモヒロツジ まあ、そうね。3人誰が映っても華はないから(笑)

藤本薪 欲しいね、華。

トモヒロツジ いや、華があって、こういう感性で映像撮るひとは多分いないよ。華がないから、こういう映像撮ってるんだから(笑)

「いんのこ」撮影と、譲れないこだわりポイント

ykpythemind 「いんのこ」を撮ったのが10月1日かな。休日に昼から自分の家に集まって。なんにも決まってなかったから……よく1日で完成したよね。

藤本薪 いつの間にか出来上がってたよね。

トモヒロツジ 全然決まらないなって思いながら、パラパラいろんな意見が出てくるの見てたけど、だんだん今できることの実現性から絞られてきて、1つになったというか。

ykpythemind はじめは本当にまとまらなくて、あの……。革命さん。革命さん、っていう……オリジナルキャラを出そうみたいなわけわかんない話があって、当然まとまらなくて。

藤本薪 辻くんが、口にアルミホイル入れ出して。歯が全部銀だったら不気味じゃないか?とか言って(笑)

トモヒロツジ (笑)なんか誰があの話にするって言い出したかわかんないけど、いつのまにか犬の話になってたね。

いつのまにかykpythemindのホワイトボードに書かれていた「手順」
いつのまにかykpythemindのホワイトボードに書かれていた「手順」

藤本薪 3人とも気持ち悪いおまじないみたいなものが好きだから、割と話が早かったのと、ああいう儀式っぽいのとかを youtuberみたいな体にすれば、演者1人で撮り切れるっていうのも結構大きかった。

ykpythemind 演者1人だけど全員出演してる感じあったよね。藤本くんの後ろとかで…。

トモヒロツジ そうね、出てるんだろうな、多分。知らないけど。

ykpythemind まぁ、この話はいいとして(笑)今回の作品にはこだわりポイントとかってなんかありますか。

トモヒロツジ 3人別々のポジションで撮ったから、それぞれにこだわりあるなと思ってて、俺は脚本を煮詰める部分をやってた認識がある。

ykpythemind なんかツジがすごい軽薄なYoutuberを書きたいみたいなことをずっと言ってたな。

トモヒロツジ とにかくディティールだと思ったから細かい言葉の端々に整合性が必要で。軽薄なYoutuberっていう役のペルソナをちゃんと設定して、それに合った行動をちゃんと取らせる。普通じゃない軽薄なyoutuberだから、実家の犬が死んじゃったタイミングで降霊術してみます〜みたいなこと言うよねとか。

ykpythemind 犬の霊を召喚するときに捧げるものが、高いペットフードじゃなくて安いジャーキーのほうがいいとかずっと言ってて謎でした。

ツジが針金で一生懸命犬を作っていた
ツジが針金で一生懸命犬を作っていた

ykpythemind 藤本くん的にはなんかこだわりどころあるんですか。

藤本薪 これを世に残す意味みたいなのはずっと考えてた。

トモヒロツジ うんうん。

藤本薪 見たことある作品は作りたくないけど、一方で教科書みたいなものは抑えないといけないから、ちゃんといい画になってるといいなっていうのは意識してたかも。

トモヒロツジ もちろん見る人によっては、いいものに見えるし、見る人によっては拙いものに見えるだろうけど。 誰に何言われても、「自分たちはここをこだわったんで」って言えるものを作らないと自信持てないなって思ったから、出来上がりまで気にしながら作った気がする。

ykpythemind よくyoutubeに上がってる日本の作品を見ると、演技がすごいし普通に怖かったりするけど、割とプロット寄りの作品が多いかなって思うことが結構あって。それよりももう少しドライな感じになったのは、個人的にはすごい好き。

トモヒロツジ そうだね、だいぶドライだね。あえて露骨にやらなかった場所とか色々あるよね。

藤本薪 そうそう。僕らの作品は、絵が好きな人が撮る映像じゃないかもなあって。僕らは映像は好きだし、ホラーも好きだけど、映画とか芝居の本体が好きな人から生まれたものではないなと思う。

ykpythemind まあ、色々言ってますが……(笑) このためにビデオ買って、教材みたいなのを買ってとかしたけど…… まあ反省点はたくさんあるよ。素人だし。今後の課題が大量にあって、人物をしっかり撮ったり、動きのあるものを撮るってのは、今後の課題だね。

今後の話

ykpythemind 1本動画が仕上がってから、もうサイトも作るかって流れで色々進んだんですけど。あわよくば、少しずつ見てくれる人いると嬉しいなって思うよね。

トモヒロツジ 個人的にはインスタントな消費の方向にはしたくないなって思ってるところもある。例えばセンセーショナルな部分だけ切り出して、人を集めるとか、やりたくないなあ。そういうのは社会のなかでものづくりをしながらちょっと疲れてる感じがあるから、なんか、あんまりそっちに寄せた物作りはしたくないという一方、見てもらわないと始まらないけど……そこにあんまりエネルギーを注ぎたくないかな。

藤本薪 恐怖っていう概念って、どこに刺さるかは人によって違うし難しいよね。ジャンプスケア系がいいとか、ツジはディティールが大事とか。

トモヒロツジ うん、そう。

ykpythemind 驚いてびっくりするの、自分は嫌いじゃない。

トモヒロツジ 「いんのこ」の同じシーンの編集で、10回ぐらいびっくりしてたからね。そんなことあるんだと思いながら見てたわ。

ykpythemind 自分で撮ったやつでね(笑)。自転車が倒れるところのタイミングを忘れてて。結構でかい音を出して作業してたから毎回あの音でびっくりしてた。

藤本薪 向いてるね、うん。向いてると思う(笑)

トモヒロツジ このメンバーで「女神の継承」見に行った時も、1人だけでかい声上げてびっくりしてたから。劇場で。

ykpythemind ほんとに1か所だけマジでびっくりしちゃったところがあって、ほんとに恥ずかしかったですね……

女神の継承(2021)は僕たちのお気に入りの映画だ
女神の継承(2021)は僕たちのお気に入りの映画だ

ykpythemind ところで、はじめはショートムービーを作ってるけど、そこそこ長めのものを作れるようになりたいっていうのはすごいあります。

トモヒロツジ まずは、コンスタントにちゃんと撮りたいものを、最低やっぱり5本ぐらいは撮らないと活動としてやってるなって段階に気持ちとして至れない感じがあるから、まずは一歩一歩やるしかないかな。

藤本薪 まあまだ満足感はないですね。

トモヒロツジ やり切りたいですね。次回も動画撮った時にはさくっと収録したものを文字起こしして公開できればなと思っているので、お楽しみに。

ykpythemind はい。またよろしく。

2022/10/04 録音

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