はじめに
先日1/10(土)in-factoによる交流イベント in-facto meet-up vol.3 の開催を無事終えました。
このイベントは、各シーズンごとに開催しているもので、in-factoの活動も3年経っているということです。
僕らのようなYouTubeが拠点になるチームは、映像を見てくださっているファンの方々と実際にお話しできる機会が少なく、そういった背景から”交流”をイベントの趣旨としています。
今回は普段in-factoを見てくださっている方々、作品にご出演いただいた役者さん、同業者の方など様々ご参加いただきました。こういったところから、season3の活動が今までより広い方々にリーチできた実感も得られ、大変モチベーションになっています。
改めて、ご来場の皆様、C/NEスタッフの皆様、ありがとうございました。
普段応援してくださっている皆様、いつもありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。
それでは当日の様子とコンテンツを振り返らせて下さい。この文章はin-facto トモヒロツジが作成しています。
作り手と演じ手の間の余白、その解釈
冒頭軽くin-factoについての自己紹介をしてから、最初のセッションは「プレゼント」の上映と出演いただいた村松さんとのトークセッションです。
村松さんとin-factoとの馴れ初めは「5movies」。その時は顔の出ない役柄で出演いただきましたが、的確な演技力や本人がホラー好きなことも相まって撮影現場で意気投合。その後ふたたび「プレゼント」で無事再会という形。
そんな馴れ初めの話もしながら、まず聞きたかったのは「プレゼント」について。
in-factoでは細かな言い回しやアドリブなどは任せたうえで、打ち合わせでは「ここでは何を考えているのか」「ここではどういった感情を持っているのか」を中心に伝えるようにしています。
今回、父親役として参加いただいた村松さんは我々の意図をくみ取っていただいた上で、この話について「実は父親が黒幕だった」という”考察”を以て臨んでくれていたそう。
これは僕らが用意していた筋書きとは違っていてとても新鮮でしたし、そういった目線で見ると「プレゼント」もまた違った捉え方ができそうですよね。僕らが伝えたことを掘り下げたうえで自分なりの人物像で演じてくれていたことはとてもありがたいですし、かといってその解釈の表現が僕らが気づくほど強く出していないという塩梅で、村松さんのこだわりが垣間見えました。
僕らの解釈を広げてくれる役者さんもin-factoの大事な要素の一つなので、その紹介ができたセッションになりました。
in-tactoテンプレ大解剖
続いては「おやすみ」の上映を挟んだうえでの、in-factoメンバーによるセッションです。ここでは、記事等で少しだけ匂わせていた「in-factoテンプレ」なるものの詳細を初めて話しました。
season2を終えた僕らは迷っていました。「おもしろいホラーをつくる」というミッションを掲げ、これを実際に作っていくために、どうやって精度を上げていくかという部分です。
掘り下げていくと、その課題は脚本の作り方が定まっていないことにあるのでは、という話が生まれました。
脚本の型をつくることで、より作りこむべき場所に集中できるという考えに至った僕らはああでもないこうでもないと議論を交わし、僕らみんなが好きな映画「へレディタリー」を思い出したりしながら、”ABCD理論”と呼ぶ謎テンプレが生まれたのです。
それが「in-factoテンプレ」
果たしてこれが裏付けのあるものなのかはわからないが、とりあえず信じてみようということで制作をはじめ、特に「マインドクラッシャー」~「おやすみ」においてはこのテンプレが脚本の下敷きになりました。
テンプレがあると良いのは、いろいろな人の意見を取り込んで脚本が複雑化しても戻るべき道筋があることです。
また、型ができたことで、4人がそれぞれ作った原案を別メンバーが膨らませて脚本化するという新しい試みもできました。
こうして生まれた4作品、皆さんにはどう映りましたか?この手応えが僕らだけのものでないことを祈ります(笑)
「近年の”ジャンプスケア”論」~近藤監督からホラーを学ぶ~
さて、続いてはこの日最後のセッションとなる「近年の”ジャンプスケア”論」。「ミッシング・チャイルド・ビデオテープ」「UFO山」など、近年のジャパニーズホラーで目覚ましい活躍をされている近藤監督をゲストに迎えます。大変お忙しい近藤監督、当日も撮影現場からmeetupに駆けつけてくださいました。
早速切り込んでいきたいところですが、まずはアイスブレイク的に僕らと近藤監督の出会いから。
もともとは日本ホラー映画大賞入賞の折に連絡いただいたところからのつながりなのですが、実は辿っていくとホラーよりも手前で思いがけないつながりが!(それがなんだったかは現地参加いただいた方々だけが知っています。) 程よく空気も温まったところで、いよいよ本題に進んでいきます。
今回このテーマでのトークをしたかったのは、近藤監督のXでのポストがきっかけでした。
今のうちに宣言しておきますと、『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』は、
— 近藤亮太 (@ryotakondofilm) October 20, 2024
・ノーCG
・ノー特殊メイク
・ノージャンプスケア
のJホラーになっております pic.twitter.com/YBdAAoGo5P
近藤監督の「ノーCG・ノー特殊メイク・ノージャンプスケア」という宣言に多くの注目が集まったこと、in-factoの作品でもジャンプスケアが入ると一定数のネガティブなコメントがつくこと。ホラーを作る身として避けては通れないこのジャンプスケアについて話を進めていきます。
まずはジャンプスケアについて定義しよう、ということで近藤監督おすすめのジャンプスケア「フッテージ」のワンシーンを鑑賞。
暗闇を走る芝刈り機、そのエンジン音が醸し出す異常な緊張感の中、突然訪れるその時。
ジャンプスケアは「だれを怖がらせるために使われているか」によってその立ち位置が決まってくる、という話が近藤監督から出ます。「フッテージ」においては、そのシーンを受けて主人公が大きく驚きます。つまりこれは作品の中で、主人公に向かって行われているジャンプスケアであって、映像作品の世界観の中に閉じた表現として行われているから作品として成立している。つまり”視聴者からすると納得感のあるジャンプスケア”と言える、という話でした。
とすると、視聴者にとって納得感の無いジャンプスケアとはなんでしょうか?僕らが思いついたのは2chや昔のフラッシュ動画であったような、見ている人間に向かって行われるジャンプスケア。つまり、作品の中の誰かじゃなくて、画面を貫通して観客を直接怖がらせようとしているもの。
これは作品の効果としては成立せず”悪いジャンプスケア”である、ということでした。
これには会場からもなるほど、というような溜息が漏れます。
同じくセッションに参加する村松さんにも好きなジャンプスケアを聞きました。村松さんが上げたのは、黒沢清監督の「CURE」。これは俗にいうジャンプスケアとは少し違うかもしれないけど、チームのykpyくんもなるほどと思ったシーンだということで、投影。
主人公が家に帰ると何の前触れもなく突然首を吊った妻が映し出される。これは彼の幻覚の中での話なのですが、この視聴者も想定していなかった角度での落差、つまり情報の”ジャンプ”も一つのジャンプスケアとは考えられないでしょうか。
僕たちはジャンプスケアを一つの装置として考えています。
実は僕たちが必要としているのはジャンプスケアそのものではなく、ジャンプスケアを見たことによって生まれる緊張感。「次は何が来るのか」というそのドキドキは、まさにジャンプスケア前との落差。
ここについて話していた時に、近藤監督からまた興味深い話を聞くことができました。ニーナ・ネセスの言う「テラー(terror)とホラー(horror)」です。
本著では、ホラー:戦慄(起こってしまった恐怖)。テラー:恐怖(起こるかもしれない恐怖) として語られています。
ジャンプスケアはこれで言うところの「ホラー(戦慄)」であり、それ自体が直接的で非常に強いものだという話。そしてその余波として何の気ない映像でも何かが起こるかもしれないという緊張感=「テラー(恐怖)」がもたらされます。
この論にならうのであれば、僕らがジャンプスケアに求めていたのは、実は「ホラー(戦慄)」だけでなく「テラー(恐怖)」でもあった、ということかもしれません。
この話に関しては、演じる側である村松さんからも面白いことを聞けました。ホラーというジャンルにおいて、女性の役者は「ホラー(戦慄)」の表現がうまい人が求められ、男性は「テラー(恐怖)」つまり緊張感を与えるような演技が求められるという話です。被害者・加害者的な先入観もあるかもしれませんが、僕はすごくしっくりきました、皆さんはどうでしょうか。
終わりに
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうもの。vol.2よりもコンテンツを増してより密度の高かった今回、最後は新作「遭難」の先行公開で幕を下ろしました。
「遭難」はノージャンプスケアでしょうか?テラー・ホラーどれが当てはまるでしょうか?ぜひ楽しんでもらえたらと思います。
トークセッションを中心としたmeetupですが、冒頭の通り僕たちは交流にも飢えています。セッション終了後に今回ご来場いただいた皆さんとたくさんホラーやホラーじゃない話ができたこと、とても楽しくモチベーションにもなりました。
また、僕個人としてはあの場を通じて初めて会う皆さん同士でたくさん交流してくれたことも、何かきっかけになれた気がして大変うれしく思います。
またseason4のin-factoで会いましょう。今年もよろしくお願いします!
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どうぞよろしくお願いします!
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— 第四境界 (@daiyonkyokai) January 20, 2026
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